男性も苦しむ：見過ごされがちな世界の男性差別の真実

私たちはしばしば、男女差別といえば女性に対するものばかりを思い浮かべますが、実は男性もさまざまな形で差別や偏見のターゲットとなっている現実があります。その中でもあまり注目されていないテーマの一つに、「男性の育児休暇取得に対する社会的偏見」があります。多くの国では、男性が育児休暇を取ることは、まだまだ「男性らしくない」と見なされたり、職場での評価に悪影響を及ぼすと考えられることがあります。これは、伝統的な性別役割意識に根ざしており、「仕事は男性、家庭は女性」といった固定観念が根強いためです。例えば、日本や韓国、アメリカの一部の国では、育児休暇を取得する男性は「やる気がない」「男らしくない」といった偏見にさらされることもあります。

こうした偏見は、男性が育児に積極的に参加しにくくなる一因となり、家庭内の負担の偏りや、子どもとの密接な関係形成の機会損失にもつながっています。男性自身も、「休暇を取るのは弱い証拠だ」「会社での立場が悪くなるのでは」といった不安やプレッシャーを感じるため、育児休暇を取得しづらい状況にあります。これは、子育てや家庭の役割についての社会的期待がいまだに強く影響している結果です。

また、こうした偏見は仕事と家庭の両立を難しくし、男性の精神的健康や幸福度にも影響を及ぼすことがあります。男性が自身の家庭や子育てに関わることをためらう風潮が続く限り、ジェンダー平等の実現は遠のくことになりかねません。そのため、世界各国で男女平等を進める上で、男性の育児休暇取得を推奨し、その重要性を社会全体で支持・理解する取り組みが求められています。男性もまた、育児や家庭に参加できる権利と義務を持つ主体であり、その選択を尊重し、支援する社会が今こそ必要なのです。