金がねぇー
私はスウ。今日は大雨だ。
朝からずっと降っているので、私も外には出ていない。
「お腹空いたな……」
部屋にある時計を見るともう昼過ぎだった。そろそろ何か食べないとな……と思っていると部屋の扉が開いた。
「スウ!ご飯持ってきてやったぞ!」
そう言って部屋に入ってきたのは同じ大学に通う同級生の女の子であるマサコだ。
「ありがとう」
私は彼女の好意をありがたく受け取った。
彼女はとてもいい子なのだが、少し元気すぎる所がある。
今も大声で喋りながら入ってくるものだから、うるさい事この上ない。
「どうした?暗い顔してるじゃないか?」
「あぁ、ちょっとね」
私は嘘をつく事が苦手なので本当の事を言った。すると彼女がにやりと笑った。
「なんだ?悩み事があるなら聞いてあげるよ」
「えぇ!?いや、大丈夫だよ」
「遠慮するなって!」
正直言うと人に話すような内容ではないのだが、断る理由もないので仕方なく彼女に話した。
「実はさ……昨日株で大損したんだよね」
「へー、そうなのか。でもお金なんてまた稼げば良いじゃん」
「それがさ……今月分は既に使い切っちゃっててさ……」
「それは大変だな……ん?」
私が悩んでいると、急に彼女が目を輝かせた。そして私の肩を掴む。
「じゃあさ!うちの店でバイトしないか!?」
「店?」
「ほら!あの有名なラーメン屋あるだろ?」
彼女が言っているのはこの辺りでは有名なお店の事だろう。
テレビにも良く出ているし、SNSなどでも話題になっている。
しかし、バイト程度の安い時給じゃ働く気がしない。
「悪いけど他当たってくれないか?」
「まあまあ、そんなこと言わずにさ。1日だけやってみようぜ」
「うーん……それなら……」
1日だけならと思い、1時間だけ働いてすぐ辞めてしまった。
