私はスウだ。
大学3年生で、今は就職活動をしている。
就職先はもう決まっているのだけどね。
今日は久しぶりに彼氏のタカシと会うことになっている。
「スウ、お待たせ」
「ううん。私も今来たところだよ」
「じゃあ、行こうか?」
「うん!」
私たちは手を繋いで歩き始めた。
私たちが待ち合わせをした場所は、とある駅前にある喫茶店だった。
この辺りでは有名なチェーン店で、店内にはいつもたくさんの人がいる。
「今日は何する?」
「そうだなぁ……」
私がそう聞くと、タカシは少し考えるような仕草をしてから言った。
「じゃあ、ちょっと買い物に付き合ってくれるかな?そろそろ新しい服とか欲しくてさ」
「いいよ!行こっ!」
私たちは喫茶店を出て、ショッピングモールへ向かった。
ここは1日中やっているからいつでも来れるし、何より安いのが良いよね。
「ねぇ、スウ」
「んー?どうしたの?」
「俺たちっていつになったら結婚できるんだろうな」
「……え?」
私は思わず立ち止まってしまった。タカシは私の方を振り向くと、真剣な表情で言葉を続けた。
「俺だっていつまでも学生じゃないしさ……。将来は結婚したいと思ってるんだけど……」
「…………」
「……ごめん、変なこと言って」
「ううん、大丈夫だよ。気にしないで」
私たちは再び歩き出した。でも、さっきまでのような会話はなく、お互いに無言のまま歩いていた。
それからしばらくして、私たちは目的の店に着いた。
私たちはそれぞれ服を見て回ることにして、一旦別れた。
私は自分の好みのものを見つけていく。
(これ可愛いかも)
手に取ったものは可愛らしいワンピースだった。色は淡いピンクで、フリルがついている。
(これにしようかな?)
私が悩んでいると、店員さんに声をかけられた。
「お客様、そのワンピースお似合いですよ」
「ありがとうございます」
「試着してみますか?」
「はい」
私は試着室に入って、早速着替えた。鏡を見ると、思っていたよりも良く見えて嬉しかった。
(よし、買っちゃおう!)
そう思った時だった。
「スウ?」
聞き覚えのある声が聞こえてきた。見ると、そこにはタカシがいた。
「あれ?どうしてここにいるの?」
「それはこっちのセリフだよ。俺はこの店の近くにあるスポーツ用品店で運動用のシューズを買ってたんだよ」
「そうなんだ。偶然だね」
「ああ、本当に」
そこで私たちはまた黙り込んでしまった。
さっきまでのことが頭に浮かんでくる。
すると、タカシが突然口を開いた。
「あのさ、スウ……」
「待って!」
「え?」
「私、先に会計してくるね」
「わ、わかった……」
私は急いでレジに向かった。そして、すぐに支払いを済ませた。
その後、店を出ようとしたところで、ちょうどタカシも戻ってきた。
「あ、スウ……」
「おかえりなさい」
「うん……」
私たちはそのまま外に出てしまった。
「ねえ、タカシ……」
「なんだ?」
「さっきの話だけど……」
「……わかってるよ。忘れてくれ」
「ううん、違うの。実は私も考えてたことがあって……」
「え?」
私は勇気を出して言った。
「私たち、まだ結婚しなくても良いんじゃないかなって思うの」
「ど、どういうことだ?」
「だから、もう少しだけこのままの関係でも良いのかなって思ってるの」
「……なるほどな。まあ確かに今すぐっていうのは無いかもしれないけど、いつかはしたいと思ってる」
「うん。それは分かってるよ。でも、今はこうしていたいな」
「そうか……。分かったよ」
「良かった……」
私たちは再び手を繋いで歩き始めた。私たちはお互いのことを見つめ合っていた。
「やっぱり俺たちって似た者同士なのかもな」
「ふふっ、そうだね」
「じゃあさ、とりあえずはデートを続けようぜ!」
「うん!」
私たちは笑いながら歩き続けた。これから先、ずっと一緒にいれたらいいなと思った。
「ねぇ、タカシ?」
「どうした?」
「大好きだよ」
「俺もだよ」
こうして、私たちは手を繋いだままショッピングモールを後にした。
彼氏から結婚の話をされちゃった
作品