うんこ踏んで良かった話をするよ
私はスウだ。
今年で二十歳を迎える女子大生である。
大学入学を機に一人暮らしを始めたのだが、親から仕送りを貰うのも悪いと思いバイトを始めたところ、なんとなく上手くいってしまい今ではそこそこ稼げている。
そんな私だが、今日は朝からツイてない日だった。
まず寝坊した。
急いで支度して家を出たものの電車に乗り遅れてしまい遅刻してしまったのだ。
講義では教授に怒られてしまったし、昼ご飯を食べようとしたら財布を忘れたことに気付いた。
仕方ないので学食で買った焼きそばパン(200円)で済ませたが、これがまた美味しくなかった。
その後の授業もいまいち身に入らなかった。
そうこうしているうちに気付けば夕方になっていた。
もう帰るかと思ったところでスマホの充電が切れていることに気付き、慌ててコンビニに向かった。
そこで、うんこを踏んだ。
「……」
私は無言のまま靴を脱ぎ、トイレに入って念入りに足を洗った。
そしてコンビニを出てから少し考えて、新しい靴を買うことにした。
しかし私の手持ちには100円しかなかったため買うのは諦めた。
家に帰ってからはテレビを見ながら夕飯を作って食った。
それから風呂に入り歯磨きをして寝る準備をした。
電気を消してベッドに入った後、ふとあることを思い出した。
(……そうだ、FXをやろうと思ってたんだった)
私はすぐに起き上がってスマホのアプリを立ち上げた。
これは先月くらいに友人に誘われて始めたもので、どうせ暇だし試しにやってみることにしたのだ。
正直なところあまり期待していなかったのだが、いざ始めてみたらこれが結構面白いことに気が付いた。
最初はよく分からなかったが、しばらく続けている内に色々と分かってきた。
例えば通貨にはそれぞれ特徴があり、それぞれ売り買いするタイミングがあるということ。
そして相場というのは刻一刻と動いているということだ。
特に為替取引については本当に一瞬で数十万数百万といった金額が変わることがある。
それが面白くてついハマってしまったのだ。
この日も夜遅くまで勉強していたのだが、気付いた時には眠ってしまっていた。
翌朝、いつも通り目覚ましの音で起きた私はFXの残高を確認した。
「おぉ! 寝てるだけで100万円近く増えてる!」
私は思わずガッツポーズをとった。
やはりゲーム感覚とはいえこれだけ稼げると嬉しいものだ。
早速そのお金を使って新しい靴を買った。
これで気分良く大学に向かうことが出来る。
今日は良い一日になりそうな気がした。
昨日うんこを踏んで運を味方につけたのか、今日の私は絶好調だった。
