私はスウだ。
女子高生のうんこ大好きっ娘だ。
今日はバイトの給料日だったので、早速ATMからお金を下ろして近所のコンビニに立ち寄った。
お目当てはもちろん、うんこの描かれたパッケージをした飴ののお菓子である。
レジカウンターの上に箱を一つ置くと、さっきまで暇そうにしていた店長がこちらへやってきた。
「おっ、新商品ですね」
「はい。えっと……一個下さい!」
「かしこまりましたー」
「あっ! あとこれもお願いします!」
追加注文したうんこチョコレートも受け取り、合計金額を告げる声を聞きながら財布の中を確認する。
……あれ?おかしいな……。足りないぞ。どうしようか……。
私はもう一度確認してみる。やっぱり足りなかった。このままでは買えないではないか。どうすればいいんだ。
するとそんな私の様子を見ていたのか、店長が口を開いた。
「お客様、どうかされました?」
「実は……今月のお小遣いを使い過ぎちゃって……」
正直に打ち明けると、店長さんはとても親身になって相談に乗ってくれた。
そして彼は言うのだ。
「それは大変ですねぇ〜。よし!じゃあ今回はサービスするんで、これを持って行ってくださいよ」
と言って、なんと代金の半分以上を出してくれたのだった!
なんて優しい人なんだ!
こんな素晴らしい人が世の中にいるとは知らなかった。
ありがとうございます。
あなたのおかげで助かりました。
一生ついて行きます!
私が感動している間に、気づけば買い物を終えており、手には大きなビニール袋があった。
これは本当に嬉しい誤算であった。
ただでさえ少ない手持ちの小銭でやりくりするのは厳しいものがあるからだ。
だがしかし! 今はそれ以上に気にすべきことがある。
何故ならこの大きな袋の中には、私にとって命よりも大事な物が入っているからである。
そう。例のうんこ飴とうんこチョコの入った箱が入っていた。
やったぜ!
嬉しさのあまりスキップしながら店を出ると、そこで偶然にも幼馴染みと遭遇した。
彼女は同じ高校に通うマサコであり、腐れ縁の関係でもあって昔から付き合いのある仲なのだ。
「あらスウじゃないの」
「ああ、久しぶりだね。元気にしてるかい?」
私たちはしばらく立ち話をしてから別れたのだが、その時ふと思ったことがあった。
それは彼女が先程口にしていたことである。
「そういえば聞いたわよ。あんた彼氏ができたんですって?」
その瞬間、私は思わず飛び跳ねそうになった。
まさかもう噂になっているなんて思いもしなかったから。
でも冷静に考えれば当然のことかもしれない。
だってあのうんこ大好き娘で有名な私に恋人ができるなど誰が想像できようか。
もしやどこかから情報が漏れてしまったのではないかと思いつつ、少しだけ恥ずかしかったけれど、素直に祝福の言葉を受け入れることにした。
こうして私は晴れて大人の仲間入りを果たしたのだ。
めでたいことである。
それからというもの、すっかり恋愛脳になった私は学校に行く度に色んな人から質問攻めに遭うことになった。
どうして彼氏と付き合うようになったのかとか、どんなきっかけで出会ったのかだとか、どこが好きなのかとか、そういった類のものだ。
だから私は答えることに困ってしまった。なぜなら答えがないのだから。
それでも私は何とかそれらしき嘘を並べて誤魔化すことしかできなかった。
こうなったらしょうがないよね! ちなみにそのことについて、唯一私の恋心を知っている親友に相談を持ちかけたところ、やはり彼女もまた似たようなことを言われて困惑していたらしい。
だが結局のところ、私たちが悩んだところで何も解決しないということで意見が一致したので、この問題については一旦保留することにした。
まぁ別に悪いことではないと思うしね。
むしろ良いことだ。
というか私は自分の幸せのために生きているような人間なのであって、他人に迷惑をかけるつもりは一切ない。それが例え自分自身であってもだ。
そういうわけなので、私はまだ見ぬ未来の旦那様とのラブラブ生活を夢見て日々を過ごすことにするのであった。
コンビニの店長さん、ありがとうございました
作品