サービスって地獄だろー

私は女子大生のスウだ。
私と親友のマサコは、大学の授業が終わってからの待ち合わせで駅前のファミレスに来ていた。そこでマサコに彼氏の話を聞かされていた。
「それでね、その人とは付き合って半年くらいになるんだけど……」
「ふーん」
私の気のない返事に、マサコは少し不満そうな顔をした。
「何よ、もうちょっと興味持ってくれたっていいじゃない?」
「だってあんたの話っていつも同じだし。そんなに毎回聞かされたら飽きるわよ」
「うっ……そ、それはそうだけどさあ」
「まあいいわ。それより何か頼んだら? お腹空いてないの?」
「ああ、うん。じゃあ頼むことにする」
「わかった。店員さん呼んでくるから待ってて」
私は席を立ち、店員を探しに行った。そしてちょうど通りかかった店員に声をかけた。
「すいません。注文したいんですけど……」
「はい! ご注文は何にいたしましょう!」
元気な声とともに現れたのは、二十代前半くらいの女性だった。彼女はニコニコしながらメニュー表を開いた。
「えっと、この『メガハンバーグ』っていうのをひとつお願いします」
「かしこまりました! それではごゆっくりどうぞ!」
女性店員はメモを取ると、パタパタと厨房の方へ走っていった。
その様子を眺めていると、横からマサコの声が聞こえてきた。
「スウ、今の店員可愛くなかった?」
「え? ああ、そうかもね」
「ねえねえ、今の子の名前とか聞いた?」
「名前? 確か……アユミちゃんだったかな」
「ふむふむ、アユミちゃんかあ……よし決めた! あたしもあの子と同じバイトにする!」
「はい!?」
突然の発言に驚き、思わず変な声が出てしまった。
「ちょ、ちょっと待って。なんでいきなりそうなるわけ?」
「だってあんな可愛い子と一緒なら楽しそうだもん。それにお金も稼げるし一石二鳥だよ!」
「いや、別にそういう目的でやる必要はないと思うんだけど……。ていうかあんたがバイトする理由なんてあったっけ?」
「え?…………あっ!!」
しばらく沈黙した後、マサコの顔がみるみる赤くなっていった。
「ど、どうしようスウ! あたしったらすっかり忘れてた!今日はデートの約束してたんだったぁ〜!!」
「やっぱりね。だから言ったじゃん、早く行った方がいいよって」
「でもまだ料理来てないし……」
「私が代わりに食べとくから気にしないで行ってきなさい」
「ありがとう! 恩に着るよ!」そう言うなりマサコは猛ダッシュで店を出て行った。……あれ? なんかデジャヴを感じるような気がするんだけど気のせいだろうか? まあいいか。とりあえず今は目の前にあるハンバーグを食べよう。
しばらくして運ばれてきた『メガハンバーグ』はとても大きかった。
「こんなの1人で食えるかー」
だが残すのも申し訳ないので頑張って完食した。おかげでお腹はパンパンだ。苦しい……。
「ふう……やっと終わった。さすがにこれはキツかったなあ……」
お腹をさすりながら窓の外を見ると、いつの間にか雨が降っていた。しかもかなり強くなってきているようだ。傘を持ってきておいて正解だったみたい。
外を見ながらボーッとしていると、先ほどの店員――アユミちゃんがやってきた。
「お客様、お待たせしました!こちら当店のサービスとなっておりますのでよろしかったらぜひご賞味ください!」
そう言って彼女が持ってきたものは、メガハンバーグだった。
「え……? いやいやもういらないですよ」
「遠慮なさらずにどうぞ! ではごゆっくり!」
「えぇ……」
困惑している私を無視して彼女は去っていった。結局断ることができず、再びメガハンバーグを食う羽目になってしまった。……うっぷ。また苦しくなりそうだなあ。まあこれも運命だし仕方ないか。
明日のメガウンコは非常に楽しみである。

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