サボテンがあればサボっても稼げるかも

私はスウだ。就職もせずにFXスクールに通っている。
「うーん……」
今日はなんだか調子が悪い。朝からずっとパソコンと睨めっこをしているが、まったく勝てないのだ。
――ダメだなぁ。
このところ、全然勝てていない。このままでは学費の支払日に間に合わなくなってしまう。親には頼めないし、どうしたものだろうか。
そんなことを考えているうちに、だんだん眠くなってきた。いけないと思いつつも、ついウトウトしてしまう。そしてついに、大きな欠伸をしてしまった。
するとその時、インターホンが鳴った。モニターを見ると、宅配便のお兄さんが立っている。急いで玄関に向かいドアを開けると、お兄さんは笑顔で言った。
「こんにちは」
「あ、こんにちは」
「あのぉ、ハンコお願いします」
「はい」
荷物を受け取るために伝票にサインをする。すると彼は、「ありがとうございました」と言って帰って行った。
部屋に戻って箱を開けると、中には小さな鉢植えが入っていた。何だろうと思ってよく見ると、それはサボテンだった。
かわいい! 思わずそう思ったのだが、そこでハッとした。
今、FXをしていたのをすっかり忘れてた。
慌ててパソコンの前に戻り画面を確認する。するとそこには、今まで見たことがないくらいたくさんのドル円の値動きが表示されていた。
――えっ!? 一瞬目を疑ったが、確かに値が大きく動いている。それももの凄い勢いで上がっているのだ。
――これは一体……? どういうことなのか分からない。だがとにかく今は、これを逃さないようにしなければ。
私は必死になって取引を続けた。しかしそれでもなお、ドル円相場の動きは止まらなかった。まるで何かに取り憑かれたかのように、どんどん上がっていく。
そしてとうとう、私の資金は10倍になってしまった。
300万円が3500万になったのだ。
――やった! 勝ったんだ!! 信じられなかった。まさかこんなことがあるなんて……。
でもこれでもう安心だ。親にも迷惑をかけずに済む。
――それにしても、どうして急にこんなことになったんだろう? 不思議に思って考えてみると、すぐに答えが見つかった。
そうだ、さっき届いたあのサボテンだ。きっとあれが原因に違いない。
私は早速、そのサボテンを持ってリビングへと向かった。そしてそれをテーブルの上に置くと、こう呼びかけた。
「ねえ、あなたのおかげで儲かったんだよ」
それでもサボテンは何も言わずただじっとしていた。まぁ普通のサボテンだよな。
次の日の朝。いつものようにFXスクールへと向かう途中、私は昨日のことについて考えていた。
結局あの後、しばらく様子を見ていたが特に何も起きなかった。もちろん私も負けることなく、約3000万円の利益を手にすることができた。
やはりあれは夢ではなかったようだ。FXスクールに通って勉強してたからだろうか。それともサボテンのおかげなのだろうか。
どちらにしても、これからはもっと頑張らなくては。
そしていつか必ず大金持ちになるぞ! 私は心に誓った。

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