マサコとうんこの話をしてました
私はスウ。
友達のマサコの部屋にいる。
「マサコは今うんこしないの?」
「しませんよ!っていうかなんでそんなこと聞くんですか!?」
「いいじゃん。どうせ暇でしょ?」
「暇ですけど……え、まさか私にもその、うんこしろとか言い出すんじゃないでしょうね?」
「さすがにそれはないよ。でもうんこしたいならいつでも言ってね!」
「もう嫌だこの人……」
私が彼女にうんこをするかどうか聞いた理由は簡単である。彼女がうんこをするか聞きたかったのだ。
ただそれだけのために、私は彼女の家にお邪魔している。
「ところでさ、マサコはうんこする時どんな気持ちなの?」
「あなたまだそれ聞いてたんですね……」
「そりゃ気になるもん」
「知りたいですか?」
「うん」
「じゃあ教えてあげます。すっごく気持ち悪いですよ。なんかこう、ぐちゃあって感じになって……あ、思い出したらまた気分悪くなってきた」
「へぇ~そうなんだ。ちょっと想像できないかも」
「絶対させたくありませんよこんなの」
彼女は顔をしかめている。余程ひどいものらしい。
「他には何かある?」
「他というと……うーん……そういえばあれもありました。あの、うんこした後にお腹の中空っぽになった気がするんですよ。だからその後すぐお腹が減るんです」
「なるほどねぇ……」
「あとは……あっそうだ!便秘の時はすごく辛いです。特に今日みたいに雨降ってると最悪ですね。お腹痛いし、お通じないし……」
「大変だねぇ」
「大変なんですよ……」
それからしばらく雑談をして過ごした。彼女と話すのはとても楽しかった。「そろそろ帰ろうかな」
外を見るとすっかり暗くなっていた。
「もう帰るんですか?」
「うん、明日学校だし」
「そうですか……。あ、そうだ!最後に一つだけ聞いてもいいですか?」
「いいよ」
「うんこ食ったことありますか?」
「……………………」
「答えたくないということはあるのですね」
「うん……誰にも教えないでね」
「もちろんです。約束します」
「実は一度だけあるんだよ。食べたっていうより飲んだけどね」
「マジですか!?詳しく聞かせてください!」
「思い出したくないんですよ」
「じゃあまた今度教えて」
「分かったよ」
私は立ち上がり、玄関へ向かう。そして靴を履いて振り返る。
「ごちそうさま。また来るからよろしくね」
「はい、分かりました」
「あと、いつか一緒にうんこを食べようね」
「いやそれは無理ですよ……」
「残念」
私はドアノブに手をかける。すると後ろから声がした。
「待ってください!」
「何?どうかした?」
「あの……ありがとうございます。来てくれて嬉しかったです」
「こちらこそ。また遊びに来るよ」
「はい!是非来て下さい」
「うん。バイバーイ」
私は扉を開け、外に出た。そしてそのまま階段を下りていく。
(結局マサコのうんこは見れなかったなぁ)
まあいいかと思いながら家に向かって歩く。ふと上を見上げると、そこには大きな月があった。
(満月だ……綺麗……)
私は大きく息を吸った。空気は湿っていて生温かったけれど、それでも確かにそこにあった。それはいつもと同じだった。
(よし、帰ったらうんこしよう)
私は決意を新たに歩き続けた。
