一緒に天国にいこうよ

私はスウ。今年で20歳になります。
大学に通っていますが、将来の夢はありません。ただ毎日を生きていくだけです。
「おはよう」
今日もいつも通り電車に乗り込むと、既に先客がいました。この人は私と同じ駅で降りるのでよく見かけます。
彼はスマホから目を離し、こちらを見つめてきました。
「お……おはようございます」
彼は少し驚いたように挨拶を返します。いつもなら一言二言しか会話しない仲です。無理もないでしょう。
「あ……あの……」
勇気を出して話しかけてみようとしますが、なかなか言葉が出てきません。
すると彼が先に口を開きました。
「スウさんですよね、何か悩み事でもあるんですか?」
何故か名前を知っている!
驚きと同時に恥ずかしさがこみ上げてきます。
「えっと……その……なんで知ってるんですか?!」
動揺して声が大きくなってしまいました。
「だって有名じゃないですか。よくSNSでも呟いてますよね。友達になりたいなって思ってたんですけど、なかなか話しかけられなくて」
そう言う彼の顔はとても爽やかでした。
私は思わず見惚れてしまいました。
それからというもの、彼とはよく話すようになりました。彼と話している時間は楽しく、あっという間に過ぎていきました。
しかしある日のこと。
「実は僕、病気があるんだ。もうすぐ死んじゃうかもしれないんだよ」
衝撃的な事実を聞かされました。
「そんな……どうして教えてくれたの?」
「だって君といる時間が楽しかったから。一緒にいたいと思ったから」
嬉しいことを言ってくれる。
「そっか……ありがとう。でもどうせ死ぬんだったら私も連れていってくれないかな?」
気づけば自然とその言葉が出ていました。
「いいよ」
こうして私たちは結ばれました。
しかし数年後、彼の病状が悪化してしまったのです。
「ごめんね、もう長くなさそうだ」
彼は泣きながら謝り続けています。
「大丈夫だよ、ずっと一緒だから」
私は彼を抱きしめると、そのまま二人で眠りにつきました。
「ねえ、起きて」
誰かの声が聞こえてくる。
「スウさん、起きてください」
ゆっくり目を開けるとそこには天使のような人がいました。
「あれ……あなたは誰?」
「僕はあなたの魂ですよ。やっと会えた……」
天使は嬉しそうな表情を浮かべている。
「じゃあ私たちこれから天国に行くの?」
「いえ、違います。まだあなたにはやることがあります」
「やることって何?」
「それは……」
天使が答えようとしたその時、突然目の前が真っ暗になった。そして私の意識は徐々に薄れていった……。
再び目が覚めるとそこは駅のホームでした。
隣を見ると彼が座っています。
「おはよう」
私が微笑むと彼も笑いかけてくれました。
「おはよう」
こうして私たちはまた一緒に過ごすことができました。

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