仲が悪そうでラブラブの2人
私はスウ。
「おーい、スウー」
今私を呼んでるのは、同じ大学に通ってる友達のマサコだ。
「どうしたの?」
「ちょっと聞いてよ。今日さあ、私の彼氏がバイトしてたんだけどさあ」
「え? 彼氏いたんだ!」
「そうだよ! 知らなかった?」
「全然知らなかった……それで?」
「そいつがね、私とデートする約束してたのに、急にバイトが入ったとか言ってドタキャンしてきたんだよ」
「へえ……」
「でさ、そのバイトってのが配達の仕事なの」
「配達の仕事ねえ」
「そう。でもさあ、普通は『仕事』なら仕方ないよね? なのにあいつ、『彼女より大事な仕事だ』とか言いやがんの。信じられる?」
「うわっ! 最低じゃん!」
「でしょ!? しかもそれだけじゃないのよ」
「まだあるの?」
「あるよ! だってさ、私が『じゃあ明日会おう』って言ったら、『明日も配達があるから無理だ』って言うんだよ!」
「マジか!」「だから『そんなに忙しいならバイトなんか辞めちまえ!』って怒鳴ったら、あいつなんて言ったと思う?」
「えーっと……」
「『バイトを辞めたらお前と一緒に居られる時間が無くなるじゃないか』だって!」
「……」
「絶対頭がおかしいよ! 女よりもバイトの方が大事だって言う男だよ!? おかしいに決まってるじゃん!」
「最悪だね」
「で、今度の日曜に会ってくれだって」
「会うの?」
「一応会ってみるよ」
「それがいいかもね。まあ、気を付けて行ってきなよ」
「うん。ありがとう」
そして日曜日にマサコはスウを連れて彼氏に会うことにした。待ち合わせの場所に着くと、そこには既に彼氏の姿が有った。
「よう! 久しぶりだな」
「そうだね」
「今日、誕生日だな。これを受け取ってくれ」
そう言って彼氏はプレゼントを渡してきた。
「何これ?」
「開けてみろよ」
「分かった」
箱を開けると中には紙が入っていた。
「一日デート券だ」
「今すぐこれを使うわ」
「じゃあこれからデートするか」
「という訳でスウ、ごめんね」
そして私はラブラブの2人が離れていくのをじっと見ているのだった。
私は何をしに来たのだろうか。
