ゴミの日の思い出

私はスウ。今日はゴミの日だ。いつものように私は家を出る。
そしていつものようにゴミを捨てに行くと、そこには先客がいた。
「あら」
「あ、どうも」
私と同い年くらいの男だった。彼は私に挨拶をすると、私の持っているビニール袋の中身をちらりと見た。
「それ、俺が捨てておきますよ」
そう言って、私が返事をするよりも早くその男は袋を持って行ってしまった。
少しの間呆然としていたけれど、慌てて追いかけた時にはもう彼の姿はなかった。
それからというもの、毎日あの男と会うようになった。
「おはようございます」
「……おはようございます」
彼が挨拶をして、私が返す。
それだけなのに妙な気恥ずかしさがあって、あまり話したことはなかった。
でもある日のこと、
「こんにちは」
「……こんにちは」
ついに話しかけられてしまった。思わず声が上ずった気がするけど気にしないことにする。
「ここの公園で遊ぶ子供たちを見ているんですか?」
「えっ?ああ……」
「子供好きなんですね」
そう言うと、彼はまた黙ってベンチに座ってしまった。……………………あれ? 何これ。会話終わり!? いや確かにこの公園でよく見かけるし、実際よく見ているから嘘ではないんだけど……! でももっとこう、あるじゃん!世間話をするとか! まあいっか。
「こんにちは!」
「こんにちは」
「お散歩ですか?」
「はい。あなたも?」
「そうなんですよー。じゃあちょっとお話しませんか?」
「いいですよ」
こうして私たちはたまに話すようになった。
「こんにちは」
「こんにちは」
「どこか行く途中ですか?」
「いえ、ただ歩いているだけです」
「そうなんだ。僕も同じです」
「へぇ~。奇遇ですね」
「本当ですね」
「あ、そうだ。よかったら今度一緒に映画見に行きませんか?」
「いいですね。行きましょう」
「やったぁ!約束ですよ?」
「はい」……そんな感じで彼と過ごす時間が増えていくうちに、いつの間にか私は彼に恋をしていた。
だからある日、思い切って告白することにしたのだ。
「あの……好き、です」
「……ごめんなさい」
結果は玉砕だった。

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