不思議な何でも屋に迷い込みました

私はスウ。今日は大学の講義が休講になったから、久しぶりに一人でぶらぶらしていた。
そして偶然見つけたお店に入ってみたのだけど……
「うわぁ……」
思わず声が出てしまうくらい、そこは凄い場所だった。
なんと言うか、とにかく色んなものが置いてある。
見たことないような形の道具やら、用途がよく分からない機械やら、何かの薬らしき瓶やら……
正直に言うと、何に使うのかもわからない物ばかりだ。
でも、そんな不思議な物がたくさんあって、見ているだけで楽しくなってくる。
まるで宝探しをしているみたいでわくわくする!
「ふーむ」
一通り店内を見て回って、私は考えた。
ここは一体どういうお店なのかしら? こんな怪しい感じのお店がまともなお店だとはとても思えないし、普通の人なら絶対に入らないと思うんだけど……。
それに、さっきから私以外に客がいないのよね。これって大丈夫なのかしら? そう思いながらお店の奥を覗いてみる。
するとそこにはカウンターがあり、そこに一人の男が座っていた。
その男は黒縁メガネをかけていて、髪はぼさぼさで髭も生えていて、おまけに猫背。
一言で言うと、不潔そうな男だった。
どう考えてもこの人が店主だと思うけど……なんだか頼りなさそうだなぁ。
「あのぉ……」
恐る恐る声をかけると、その男はびくっとしてこちらを振り向いた。
「ひぃ!? ごめんなさい!」……あれれ?
「えぇと、すみません。驚かせるつもりはなかったんですけど……」
「ああ、いえ、僕の方こそ大げさに驚いてしまってすみませんでした。僕はこの店の店長です。あなたはこのお店は初めてですか?」
「はい、初めて来ました」
「そうですか。では説明しますね」
そう言って、彼は少し姿勢を正した。
「まず最初に、ここにある物は全部商品です」
「へぇ~、そうなんだ。じゃあ遠慮なく貰っちゃおうかな♪」
「ただ一つだけ注意点があります」
「注意点?」
「はい。ここにあるものは全て盗品なのです」…………。
「えっと……それってつまり、犯罪者のアジトってこと?」
「そういうことです」
「な、なんでそんな危ないものを普通に置いてるわけ!?」
「それはですね、ここのお客様が全員犯罪者だからですよ」…………。
「え? どゆこと?」
「ここは犯罪を犯した者しか入れないお店なのです。もちろん僕も含めて」
「そ、そうなの?」
「はい。ちなみにあなたは何をしたんですか?」
「え? 私は別に何もしてないよ」
「本当ですか? 例えば誰かを傷つけたとか、お金を奪ったとか、盗みに入ったとか、あるいは殺人を犯したとか……」
「ちょ、ちょっと待って! 後半おかしいわよ! そもそも私はまだ未成年だし、法律的にアウトなことなんてできるはずないじゃない!」
「それは自分のしたことに気づいてないだけです」
「まったくもう!……それで、結局ここはどんなお店なの?」
私が改めて訊ねると、彼は笑顔になって言った。
「ここは『何でも屋』です」
「なんでもや?」
「はい。ここではあなたの願い事を叶えます」
「私のお願い事? でも、そんなこと言われても……」
正直、急には思いつかない。だってまだ大学生だもん。欲しいものはいっぱいあるけど、今すぐ買わないと困るものはないからなぁ……。
そう思って黙っていると、彼は私の顔を見て言った。
「わかりました。ではこうしましょう。もしあなたがいつか罪を犯してしまったら、その時はまたこのお店に来てください」
「えぇ!? 何それ!?」
「もしもの話です。仮にそうなった場合、このお店で罪を償うことができるのです」
「つ、使い方がよくわからないんだけど……」
「大丈夫です。簡単ですから。それにもし何かあったとしても、ここにはたくさんの防犯グッズがあるので安心ですよ」
「うーん、そう言われてもねぇ……」
「さて、どうされますか?」
そう聞かれると、私は迷ってしまった。
本当にこんなところで罪を償えるのかわからないけど、試してみる価値はあるかも。
それに、もしかしたら本当に何か起きるかもしれない。
そう思った私は、彼に返事をする。
「わかった。じゃあそうすることにする」
「ありがとうございます。それでは、またのお越しをお待ちしております」
こうして私は、不思議な雑貨屋さんで自分の罪と向き合うことになった。
そして数年後、私はそこで手に入れた知識を使って、世界を救うことになるんだけど……それはもう少し先のお話。

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