友達と彼氏の話をしました

私はスウ、友達のマサコとデパートで買い物をしている。
「ねーねー、この服どう思う?」
「いいんじゃなーい」
「ちょっとー、ちゃんと考えてよー!」
「うっさいわねー、あんたは私の母親かっての! こんなんでいいじゃん」
「あ、これ可愛いー」
「話聞けやコラァ!!」
私達は今年大学に入ったばかりだ。
私は今年から一人暮らしを始めて、家事全般が大変だけど楽しい毎日を送っている。
でもそんな時、親友であるマサコに彼氏ができたのだ。最初は全然信じなかったけど、証拠の写真を見せられて納得するしかなかった。
そして今日はそのお祝いをするために二人で買い物に来ているというわけ。
ちなみに私にはタカシという彼氏がいる。
付き合ってから一ヶ月くらい経つかな? 正直言って私もまだ信じられないんだけど……。
だってさぁ、あいつは私のこと好きじゃないんだよ? まあ顔だけは良い方だと思うし、優しいところもあるとは思うけど。それにしてもマサコは幸せ者だよねぇ~。
あんな素敵な彼氏ができてさ。
それに比べて私は……。
はぁ……、なんか虚しくなってきた。
私は一人ため息をつく。
するとマサコがいきなり話しかけてきた。
「ねー、スウ。この後暇?」
「え? なんで?」
「実はこれから暇だから少しだけ時間くれないかなぁと思って」
「別にいいけど……」
「じゃあさ、バイト先まで来てよ!」
「何? また変なお店じゃないでしょうね!?」
「違うってば! 普通の喫茶店だよぉ。スウにも紹介したかったしさ。それにスウなら大丈夫だよ、きっと気に入ってくれると思うんだぁ」
「そう言われてもなぁ……。なんか怪しい感じだし……」
「怪しくないってばぁ! とにかく行こうよ。すぐそこだからさぁ」
マサコに連れられてやって来たのは、落ち着いた雰囲気の小さな喫茶店だった。
確かにここなら私が行っても問題ないかも。
店内に入るとコーヒーの良い香りが漂ってきた。
奥の方を見るとカウンターの中に一人の男性が立っている。背が高くて細身、髪は短めで眼鏡をかけていて優しそうな顔をしている。年齢は二十代前半といったところだろうか。
なかなかカッコイイ人じゃないか。
「マスター、こんちわー」
「おお、マサコ君。久しぶりだね。そちらのお嬢さんは友達かい?」
「はい、同じ大学の友達です」
「初めまして、スウと言います」
「これはご丁寧にどうも。僕はこの店の店長をしている者でございます。よろしくお願いしますね」
「こちらこそよろしくお願いします」
その後しばらく談笑した後、私達は注文した飲み物を持って席に着いた。
「へぇー、ここの紅茶美味しいですね」
「そうだろう? うちのオリジナルブレンドなんだ。僕の自慢の一品なんですよ」
「凄く落ち着く味っていうか……。なんかほっとするような……」
「気に入っていただけましたでしょうか?」
「はい、とても気に入りました!」
「それは良かった。それで今日は何にするんだい? またケーキセットかな?」
「いえ、今日はもう帰るところですから。それにお金も無いし……」
「ああ、そういうことですか。ではサービスさせていただきましょう」
「えっ!? でも悪いですよぉ……」
「いいから気にしないでください。それにこの前のこともあるしね」
「あー、あれは本当にすみませんでした……」
「ふふっ、冗談だよ。実は僕もあの後大変だったんですからね」
「そっかぁ……。じゃあお言葉に甘えてもいいですか?」
「もちろん。好きなものを頼んでくれて構いませんよ」
「ありがとうございます。それじゃあ遠慮なく……」
私はケーキセットを二つ頼むことにした。
運ばれてきたケーキはとても美味しかった。やっぱりこっちの方が断然良いよね。
マサコも同じことを考えていたらしく、「今度からはここに来ようね!」と言ってきた。
それからしばらくして私達はそれぞれ自分の飲み物を飲み終えると、会計を済ませて店を出た。
外は既に暗くなっていたので、家に帰るついでにマサコをアパートまで送っていくことにする。
「わざわざありがとね。助かるよ~」
「はいはい、どういたしまして」
「あはは……。ねえスウ。ちょっと聞きたいことがあるんだけどさぁ」
「ん? なに?」
「スウはさぁ、タカシ君のことどれくらい好きぃ?」
「はぁ? いきなり何言ってるのよ? そんなこと聞いてどうするわけ?」
「別にどうもしないけどさ。ただ知りたかっただけだよん。ほら、マサコちゃんに教えなさいよぉ~」
「うんこと同じぐらいに好きだよ」
「…………ぷっ。あはははははは!! なんじゃそりゃ!!」
「ちょ、笑いすぎだって! 失礼じゃないの!?」
「いやぁ~、ごめんごめん。まさかそこまで酷い答えが返ってくるとは思わなかったからさぁ。マジでウケたわぁ。あー、お腹痛い……」
「あんたねぇ……。人が真面目に話しているというのにさぁ……!」
「うそうそ、ごめんってばぁ。許してよぉ~」
「ふん、まったく……。あんまりふざけたこと言ってると怒るかんね」
「はいはーい。わかりましたよぉー」
「ったく、しょうがない子だよ……」
私は呆れながらもため息をつく。
そしてマサコと一緒に彼女の部屋までやってきた。
「今日は楽しかったよ。ありがとね」
「いいって、いいって。私も久しぶりに会えて嬉しかったし。また暇な時があったら連絡ちょうだいね」
「わかった。それじゃあまた明日」
「バイバーイ」
こうして楽しい時間はあっと言う間に過ぎていったのだった―――。

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