彼氏とドライブしてきました
私はスウだ。今日は彼氏のタカシと車でドライブをしている。
天気はいいけど風が冷たい。今日は海沿いを走っている。
「寒いなあ」と運転しているタカシが言う。
「寒いねー」と私も答える。
「でもさあ、俺の心の中はあったかいよ」
「え? なんで?」
「だってさ、今、こうして一緒にいられるじゃん」
「……そうだね!」
私たちは見つめ合って微笑んだ。
ああ、幸せ! こんな幸せな気持ちになれるなんて、今までの人生では考えられなかった。
ずっとこのままでいたいな……。
そう思っていたら、急に車のスピードが落ち始めた。そしてそのまま停まってしまった。
「あれっ!? どうしたの?」
私が聞くと、運転席のタカシは苦笑いしながら言った。
「いやあ、ごめん。ガス欠みたい……」
「ガス欠って……、まさかガソリンがなくなったんじゃないよね?」
「その通り。実はそうなんだよ」
「うそお~!!」
私は泣きそうになった。これからどこに行くっていうのよ! そんな私の様子を見て、タカシは申し訳なさそうに謝った。
「本当にごめんな。どこかガソリンスタンドがあったらいいんだけど、この辺にはないかも」
「え~!!じゃあどうするの!?」
「う~ん、とりあえず歩いてみるしかないかなあ」
「歩けるところまで歩くの?」
「うん、それしか方法はないと思う。大丈夫だよ、少しくらい歩いたところで死ぬわけじゃないし」
「そりゃそうだけど……」
「それにほら、俺たち二人ならなんとかなるさ!」
タカシは笑顔で言うけれど、不安で仕方がない。
私たちが出会ったあの日のように、お金もない。しかも今は冬の初め。寒くてたまらない時期なのに……。
それでも私はタカシを信じることにした。二人で力を合わせればきっとなんとかなるはず! そう思って車から降りた。
するとすぐにタカシは車を降りてきて、私の手を握った。
「行こうか」
「うん!」
手を繋いで歩き始める。
幸いなことに、近くにガソリンスタンドがあり、私たちは無事に給油することができた。
よかった!これで安心して出発できるわね!……と思っていたのも束の間だった。
ガソリン代でお金を使い切ったのだ。
「今日はもう帰るか」
というタカシの言葉に、私は絶望感を覚えた。
「お金なら私が持ってるよ」
「じゃあ今日はスウの奢りな」
「うん!」……という会話の後、二人は喫茶店に入ってお茶をした。
もちろん私の奢りである。
結局、今日のデートは無一文のまま終了してしまった。
帰り道、車の中でタカシが言った。
「また一緒に来ような」
「うん」
タカシと一緒にいる限り、楽しいことはいっぱいあるはずだ。
