中身の入った財布をプレゼントしました
私はスウだ。最近、株式投資をしている。
今日は株価をチェックしてみようと思う。
「ふむ……なるほど」
私には相場師の才能があるのかもしれない。
今日だけでかなり儲けてしまったぞ。
やはり、私がこの世界で生きていくためには金が必要だ。金さえあれば何でもできるしな。
「ふっふっふ……」
私は笑いが止まらなかった。
「ふぅ……」
疲れた……。
私はソファーに寝転んだ。
最近は株取引で儲けまくっているせいか、どうも気分が落ち着かないのだ。
だが、それも仕方ないだろう。これだけ儲かるなら誰だってやる気になるはずだ。
それにしても、最近の私は本当にツイている。
まず、最初にやったバイトで大金を稼いだ。
そして、その後も次々と幸運が舞い込んできた。
そのおかげで、今や資産は1億円を超える。
もう働かなくてもいい。
私は自分の才能に心底惚れていた。
そんな時だった。
ピンポーン! チャイムが鳴る。
こんな時間に誰かしら? まぁ、どうせセールスマンとかだろうけど……。
「はいはいー!」
ガチャッ ! 扉を開けるとそこには見知らぬ中年男性が立っていた。
「お姉ちゃん、ちょっと話したいことがあるんだけどいいかな?」
男はそう言って、ニヤリと笑った。
何なんだコイツ? 気持ち悪い奴め。
「あなた、誰ですか?」
「あぁ、申し遅れました。僕はこういう者です」
男が名刺を差し出してくる。
その名刺を見ると『株式会社マルオ』という会社の名前があった。
聞いたことがない会社ね。
「それで、用件は何でしょうか?」
「お金をください」
何を言っているんだ、この男は? ふざけるんじゃないわよ。
「嫌ですよ」
「どうしてだい?」
「知らない人からいきなり金をくれと言われて素直に差し出す馬鹿がいると思いますか?」
「1人もいないと思いますか?」
「いるわけがないでしょう」
「それがいるんですよねぇ~」
そう言うと、男は懐から拳銃を取り出した。
「えっ!?」
私は驚いて固まってしまう。
嘘でしょ? 本物じゃないよね? 銃なんて映画でしか見たことないし……。
「ほら、これが見えないんですかね?」
「ひぃ……!」
本物のようだ。怖い……。
でも、ここで怯んでしまったら負けだ。
何とかしないと殺されちゃうかもしれない。
私は勇気を振り絞って男に言った。
「あ、あの、お願いします。お金はないのです。だから、見逃してくれませんか?」
「じゃあ、死んでくれるかい?」
「えぇっ!?」
「君は僕に殺されるか、お金を出すかの2択しかないんだよ」
「そ、そんな……」
「さぁ、早く決めてくださいよぉ~」
駄目だ。どうしようもない。
「お金を渡せば殺さないのですね?」
「もちろんだよ。約束するよ」
「わかりました。渡します」
「ありがとうございます」
私はバッグの中から財布を取り出す。
「はい、どうぞ」
1万円札を渡した。
「少ないなぁ……」
男は不満そうな顔をしている。
「これで勘弁してください」
と言って財布ごと渡した。
「ふむ……。まぁ、いいでしょう。では、これはもらっておきますね」
「はい」
良かった……。助かったみたいだ。
「ところで、お姉さんの名前は何と言うのですか?」
「スウです」
「スウさんか……。覚えておいて損のない名前だな」
どういう意味かしら?
「また、来ますね」
「二度と来るんじゃねえよ! くそ野郎!!」
私は思いっきり怒鳴りつけた。
「あっはっは! 威勢がいいじゃないか。気に入ったよ」
そう言って男は去っていった。
「なんだったのかしら、あいつは?」
財布だけで済んだことはラッキーだったけど、もう関わりたくないわ。
私は急いで玄関の鍵を閉めた。
「あぁ~怖かったぁ~」
私は安心してソファーに倒れ込んだ。
もう夜も遅いし寝ようっと……。
私はそのまま眠りについた。
