私はスーパーでレジ打ちのバイトをしているスウだ。
ある日、いつものように店内で客が買った商品のバーコードをスキャンしていると、ふと妙なことに気づいた。
「あれ? この人……なんか見たことがあるような」
それは30代くらいの男性だったのだが、その顔に見覚えがあるのだ。
だがどこで会ったのか思い出せない。こんなイケメンなら忘れるはずがないと思うんだけど……。
そう思っているうちに、男性は買い物を終えて店から出て行ってしまった。
気にはなったものの、私は仕事中なのでそれ以上のことは考えないようにした。
次の日も、また次の日も同じ男性を見かけた。
やっぱりどこかで会ったことがある気がするけど思い出せない。
そして何日か経つと、なんとその男性が私に声をかけてきた。
「あの、すいません」
「えっ?」
話しかけられたことにびっくりして振り返ると、そこには昨日の男性がいた。
「あ! あなたは……」
「僕のこと、覚えていますか?」
「えっと……」
たしかにこの人はどこかで会った気がするが、正直言って全く記憶がなかった。
「ごめんなさい、わからないです」
「そんな……僕たち結婚していたんですよ」
「え!? そうなんですか!?」
まさかの事実に驚く。というか私が妻だったということが驚きである。
しかしどう見てもこの男性は私の夫とは思えない。
だってイケメンすぎるし、身長も高いし。それに年収もかなり高いだろう。
「嘘ですよね?」
「いや本当だよ。僕は君のことを愛していたんだ」
「そ、そうなんですか……」
「なのに君は浮気をしていたんだよ!」
「う、浮気ですか!?」
急に怒鳴られて戸惑ってしまう。
すると彼はスマホを取り出して何かを操作し始めた。
「これを見てよ」
「これは……あっ!!」
彼が見せてくれた画面に映っていたものを見て私は驚いた。なぜならそこに写っていたのは、紛れもなく私だったからだ。
「これは私……にそっくりな人ですね」
「似ているじゃないよ! 本人じゃないか!」
「えぇ!?」
どういうことだ? どうして私が二人いるんだろう? 頭が混乱してきたぞ……。
「とにかく、これから一緒に来てもらうから」
「ど、どこにですか?」
「裁判所だよ」
「裁判所!?」
なぜ裁判なんて受けなければならないんだろうか。
しかも浮気って一体何のことなんだ? 何もわからずにそのまま連れていかれてしまった。
そして着いた先は裁判所ではなく、なぜか警察署だった。
「あの……ここはどこなんでしょうか?」
「決まってるだろ。君を逮捕してもらうためさ」
「はい!?」
わけがわからずパニックになっていると、突然警察官たちが私を取り押さえてきた。
「ちょっ……何をするんですか!?」
「抵抗しないでください!」
そのまま手錠をかけられてしまい、身動きが取れなくなってしまった。いったいなんでこんなことになっているのか全然理解できない。
するとそこへ、一人の女性が入ってきた。
「あら、やっと捕まえたんですね」
それはなんと、私の母さんだったのだ。
「か、母さん!?」
「久しぶりねスウ」
「母さん……なんでこんなことをするの?」
「貴方に会いたかったから。ただそれだけよ」
「会いたいって……そんな理由で……」
「皆様、ご協力ありがとうございました」
母さんの一言で男性客と警官たちはあっさりと帰っていった。
こうして残ったのは私と母さんだけになったのだ。
「もう邪魔者はいなくなったわね」
「ねぇ母さん、私たち親子だよね?」
「もちろんよ。だから会えて嬉しいわ」
そう言うと母さんは満面の笑みを浮かべた。
思わず泣いてしまう感動の再開
作品